うちの実家が毒親で マジ魔窟だったから聞いて

はるのみちるです。私は幼い頃から親がとても恐ろしく、得体の知れないモンスターのように感じられました。当時の気持ちを、ダークファンタジー風に表現した記事です

はるの
はるの

毒親も正体が分かれば、恐るるに足らず
なんですけどね

私の家には、かつて魔王が君臨していた。私の父親は魔王。彼は本当に恐ろしい怪物で、下々の者に抗う術は何もない。私は『良いコ』と呼ばれる、魔王の従順な奴隷だった

「こんなもの 必要ない」

魔王のお気に召さないモノは、私がどんなに泣けど叫べど取り上げられる。あるいは、所持を許されない。なぜなら、子供は『ヤツ』の所有物。主に逆らう権利など、私には無いらしい
魔王は、恐ろしい口調で言う

「くだらない事を考えるな 時間の無駄」
「だまって 言うことを聞け」

毒親と子供の闘い

おぞましい魔王にとって、私の考えは全て間違っている。無駄無駄無駄無駄ァーーッらしい

子供にだって当然、基本的人権がある。個性が、感情があるなぜ一方的に必要ないと決めつけ、奪うのか。私が私らしく生きていく権利。そして自由を取り戻すべく、私は凶悪なモンスターに闘いを挑んだ

「身勝手な言い分を押し付けないで!」

「私にだって自分の考えがある!!」

幼い私は勇気を振り絞り、果敢に立ち向かう。渾身の攻撃で、きっと活路を見出せるはず…だった

バシッッ!!

魔王の強烈な平手打ちを喰らい、私の体はいとも簡単に吹っ飛ぶ

私の頭は呆然とし、滝のような涙が出た。そして鼻水も。身体はガクガクと震え、ヒックヒックと間抜けな声しか出せやしない。無力な自分がみじめで、どうしようもなく情けなくて、悔しかった

子供の私には、闘うための知識や経験が圧倒的に足りない。何か…起死回生の一手があるばずなのに。何も思い浮かず、ただただ立ち尽くすのみ

誰か…助けてっ!と念じてみるが、援軍は一人として来ない。魔王の力は強大で、幼い私には為すすべもない

毒母は、姿を隠す

私の母親は、か弱く善良な一般市民。モンスターに対抗する手段は何も無いらしい

彼女は今どこだろう?家の中、私の近くには居るはずだが…。『魔王』の攻撃を受けないよう、母親は気配を断っているのか?

魔王の攻撃!死の宣告!

「おまえは 我に逆らうのだな」

「嫌なら 家から出て行け」

子供にとって、家を失うということは死にも等しい。とてつもない恐怖である。自分の意思を捨て去り、魔王に服従するか。それとも死か。幼い私は、命の選択を迫られていた。子供を脅し、思うままにコントロールしようする。おぞましい魔王の常套手段である。

魔王は、粗暴で、知性のかけらもなく、醜い。おまけに体表に疾患があり、異様な臭いを放っているらしい。なんて気持ちの悪い生き物だろう!

確かに『ヤツ』は、変な臭いがしていた。汚い臭いくさいきたないくさい……

魔王は、健気な私の母親を苦しめている。ほんとうに悪いヤツ。醜いモンスター
私の父親が魔王?

…ちょっと待って。だったら、その子である私も醜いのでは…!?私にもモンスターの汚らわしい血が、半分流れているじゃないか!

私が10歳を過ぎた頃だったか。鏡に映った自分を見つめると、己のあまりの醜さに絶望し、死にたくなる

ので、鏡は必要最低限しか見なくなった

どうして私はこんなに不細工に生まれてしまったのか。と鏡に問いかける

それはオマエが、おぞましいモンスターの子供だから。と、鏡の中の私は答える。だから私は、鏡が大嫌い

私には、善良な母親の血が半分流れている
彼女は魔物が嫌い。薄汚く、野蛮な魔王を憎んでいる。でも私の事は好きなんだろうか?

私はモンスターの子供だけど、母親の娘でもあるから?
美しく優しい母親に、もし嫌われたら。私はどうなってしまうのか

モンスターだらけの、醜い世界に一人で放り出されたら?幼い私は、たちまち魔物に喰われてしまうのではなかろうか。手や足をもがれ、頭からバリバリとかじられていく。髪の毛1本たりとも残るまい

魔物に喰われないために、何ができるか?小さな私は必死に考えた
優しい母親の寵愛を受けるべく、努力するしかない。魔王の血が流れる醜い私だが、母親の役に立つ人間になる。そうすれば、見放されたりしないはずだ

毒母は、子供に繰り返しささやく

「母さんは、あなたのために我慢しているのよ」

彼女は魔王との共同生活を耐え忍んでいる。私のために

たとえ父親でも、醜く凶悪な魔物。離れて暮らしたほうが、子供の為には良いのではないか?私は素朴な疑問を、母親に問うてみた

彼女が言うには、魔王といえども年寄る波には決して勝てない。年を取れば、モンスターの力は必ず弱くなる。それを耐え忍ぶのが、賢い大人の正しい戦法だと

なんと我慢強いことか!魔王が弱体化するのを、30年、40年、ひょっとしたら50年?
そんな気の遠くなるような、長い時間を待つなんて

私は、自分の浅はかな考えを恥じた。子供のために、横暴な魔王の行いにも耐える。こんなに素晴らしい母親がいるだろうか。私は幸せ者だ。母親から受けた大恩に報いるのが、私の生涯の努め。子供は生まれながらに親に恩がある。子供は親孝行するために、この世に生まれてくるのだろう

早く大人になり、魔王に苦しめられる母親を助けなくてはならない
世界を救う偉大な勇者には、到底なれないけど。ただひとり、自分の母親を救う力が欲しかった

私のきょうだい達は、魔王の血が濃いらしい。私とは似ても似つかないカスばかり。ろくでもない行為で、いつも母親を困らせているのだと

『アイツら』は戦力外の役立たず。か弱く善良な母親を救えるのは、優秀な私以外に居はしない。そして月日は流れ、私は大人になった。必ずや魔王をブッ倒す、今こそ正義のために

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